石に導かれたネックレス

先日、
「こちらの手元にある石を使って作っていただくことはできますか？
石といっても高価なものではなく河原でひろったものなのですが。。」
と、問合せをいただきました。

これまでは、石に糸が通せる貫通穴が通っているものであれば、
制作を引き受けていたのですが、
ご相談いただいた石は、何も加工されていない自然のままの石。
でも、なぜか今回は、石の画像を拝見した瞬間に
「これは形にできそう」とイメージがふと浮かび、
お引き受けすることにしました。

お持ち込みくださった石がこちら。

亜麻色、薄茶色がまざりあったような優しい色合い。
辿ってきた年月を感じさせる石肌は、
石だけれども柔らかく温かみを感じさせてくれるものでした。

これは、高野山の河原で出会った石だそう。

自然が作り出した形、色合い、肌触り。
人の手が加わらず、一見地味だけれども
ずっと触れていたくなるような石。

ご依頼くださったお客様の
優しさが溢れる雰囲気を大切にしながら、
石の良さも引き出したい。

そこで浮かんだイメージが、
石を包み込むデザインでした。

完成したものがこちら。

Gold Filled Wired（14ｋ）をテープ状に編み上げ、石の側面に巻き付け、
正面から見た時の石の表情を大切にバランスを考えながら包み込み、
胸元に落ち着くようペンダントタイプのネックレスに仕立てました。

お客様がご着用画像を送ってくださいました。

胸元にそっと落ち着く石。
お客様の肌色との相性も良く、
とてもお似合いになると思いませんか？

今回、ご依頼くださったお客様、
先ほどの画像に映り込んでいる背景からもお気づきになられた方もいると思いますが、

「響きの人」としてご活躍されている
音楽家　新屋賀子さんです。

作詞・作曲だけでなく、
ピアノを中心に演奏活動やワークショップも開催されています。
賀子さんから奏でられる一音一音は、
音の深さを感じられ、
その「響き」から聴く人の感情に変化をもたらせます。
ここで私が書くよりも実際に聴いていただいた方が良いので
新屋賀子さんのリンクを貼っておきます。

◆ホームページ
https://pianoheart.jimdofree.com/

◆You Tube
https://www.youtube.com/channel/UChvdjCin5zrNjLBe7bjVOjw

今回、賀子さんからこのようなご依頼をいただき、
私自身も新たな挑戦ができ、この先に繋がる経験ができました。

仕立師として、
「お客様のご要望を形にする」ことも少しずつ増やしていけたらいいなと思います。
これからもっと精進しなければ！

新屋賀子さん、
この度はありがとうございました。
演奏会、楽しみにしています。

ネックレスの仕立てについて、
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